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2015年3月24日火曜日

日本発のPlen2は、3Dプリントしたパーツを自分で組み立てる人型ロボット



Plen2は、机の上に置けるほど小さくてかわいい人型ロボットだ。Plen2は、踊ったり、小さい物を運んだりとちょっとした動きができる。各種のセンサーとつなげることで人の動きを真似することもできる。


また、このプロジェクトはオープンソースで、3Dプリンターから印刷することができる。少なくともプロトタイプを作成した日本企業の計画はそのようになっている。彼らは、ユーザー自身がロボットをカスタマイズすることで、ロボットに愛着を持ち、人と人型ロボットの間に良い関係性を築きたいと考えている。


このチームは、Plen2を市場に送り出すために、Kickstarterで資金を募っている 。そして、キャンペーンは43日を残して、目標金額である4万ドルを集めることに成功した。オープンソースのこのロボットを、プリントできる製品として世に送り出すための資金は整った。


499ドルを支援すると、Plen2を作成するために必要な3Dプリンタ用のデータと、各種電子部品(コントロール基盤、サーボモータとその他付属品)のキットが手に入る。699ドルで、自分で組み立てることができる全てのパーツが入ったキットが届く。799ドルでは、組み立て済みのPlen2が届く。どのキット、あるいはロボットを注文したかによって配送時期は、8月から11月の期間で異なるが、今年後半には出荷を始める予定だ。


Plenの製品開発を担当するNaohiro Hayaishiは、最初のPlenは2005年に開発したが、昨年から改良を加えていたと話す。Plen2は、さらに小さく、3Dプリンターを利用できる人は、オリジナルのパーツをプリントできるようにハードウェアをオープンソースにすることを決意した。ロボット作りにユーザーが参加することで、ロボットに親近感を持ってもらうためだ。


ロボットは教育のためのツールにもなります、とNaohiroは言った。彼らは、同時進行で多様なパートナーと提携し、Plen2を活用した教育プログラムの開発を行っている。しかし、社会的に影響を与えるという意味で、彼らの大きな目標は、ロボットテクノロジーをより人に寄り添うものにすることだ。「私たちの目標は、人間とテクノロジーを、自分でプリントして作れるオープンソースのロボットによって近づけることです」と彼らのKickstarterのキャンペーンには記されている。


クラウドファンディングで資金を集めることにしたのも、Plenが、ロボットを好意的に受け取る人にリーチし、テクノロジーに温かみを感じてもらうためだ。「ロボット作りの工程を多くの人に知ってもらい、参加してほしいのです。それが、オープンソースでプリントできるというコンセプトにこだわった理由でもあります」とNaohiroは言った。


Plen2はPlen1と同様、スムーズに動くことができます。これは私たちにとって、とても重要なことです。ロボットは人を怖がらせてはいけないのです」と彼は続けた。


Plen2は素敵なアイディアだ。ロボットによる世界の終焉を描く話はたくさんあるが、これはそれとは相反する。これが日本のプロジェクトであることも偶然ではない。日本国内では介護機能を備えたロボットの必要性が認識されている。日本の通信大手のSoftBankも、人の感情を学習し、表現すると銘打つロボットの開発に力を入れている。


高齢化が進む日本社会では、ロボットとロボット工学を社会的に受け入れるようにする動きが見られる。Plenが「かわいい」ロボットなのも多くの人に親しみを持ってもらうためだ。


Plen2が市場に出るのに後は何が必要か。大量生産できるよう射出成形のデザインを手直しし、パーツが3Dプリンターで問題なく印刷できるように調整すること、とNaohiroは言った。Plen2をiOSとAndroidから操作できるようにするためのアプリも開発中だ。


Plen2は、一回の充電で20分から30分程度動くことができるそうだ。そのかわいいフォルムと機能もさることながら、制限されたバッテリーの持ち時間は、まだロボットが人間にとって脅威にならない証拠でもある。


少なくとも、自ら電源に戻って充電できるようになるまでは。


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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook








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日本のExiiiが、この驚くほど柔軟な筋電義手を作った


日本のExiiiという会社は、スマートフォンと繋がって驚くほど柔軟な動きをするバイオニック(筋電)義手を300ドル以下で作った。この義手は3Dプリンターで部品を作ることによって制作と組み立てを容易にし、修理や様々な色でプリントすることも可能だ。


しかし、これまで見てきたEnablingTheFutureの義手と異なり、このモデルはエレクトロニクス満載でスマートフォンや筋電センサーと接続する。利用者の神経と筋肉の動きをスマートフォンが義手の動きに変換し、手を開閉したり個々の指を動かしたりできる。指は工具やゴム引きのスタイラスと交換することもできる。


現在この手は販売されているが予約待ち状態(「3Dプリンティングサービス混雑のためお待たせする場合があることを予めお詫びする」と制作者は書いている)で、同社は一般購入者の前に企業や研究施設に提供する予定だ。価格を300ドル以下にできたことは私にとって驚きであり、この手がルーク・スカイウォーカーのバイオニック義手並みに使えることを考えるとなおさらだ。



via 3DPrint



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(翻訳:Nob Takahashi / facebook








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2015年3月19日木曜日

SXSWに来たクールな日本のスタートアップ4チーム紹介―AgIC、SenSprout、exiii、Plen

私は今年のSXSWの取材ではBates Motelの4号室をベースにしている(この話はまた別に)。ここで、この週末、はるばる東京からテキサス州オースティンにやってきたクールなハードウェアのスタートアップをインタビューすることができた。8チームのデモを次々にに見たが、そのうちの4チームには特に強い印象を受けた。


最初のチームはわれわれが以前に紹介したことがあるAgIC だ。これはユーザーが銀(Ag)を含有する伝導性の高いインクを使って専用のペンまたはインクジェットプリンターで印刷することによってサーキットボードを自作できるというもの。


AgICは今回のSXSWで回路の大型化をデモした。デモを担当した杉本雅明氏によると、新しいバージョンでは部屋の壁ぐらいのサイズの回路を作成できるという。


またAgICは小型のハードウェア・コントローラーを開発した。ユーザーはこのコントローラーを介して自作したAgIC回路から他の電子機器を操作できる。つまり自作した回路をボタンに使ってほかのエレクトロニクスを動かせるわけだ。「A」の回路を押すと照明が点灯し、「g」の回路でステレオを鳴らすといったことができる。


テクノロジーとしても興味深いが、電子回路がビジュアルに美しいものになり得るというコンセプトが特に面白かった。杉本氏は「壁紙にもできる」と言っていた。


2番めのスタートアップは西岡 一洋、三根一仁、岡田隆太朗、川原圭博の4氏によって創立されたSenSprout だ。


SenSproutは農業のための環境の水分センサーシステムだが、実はセンサーにAgICの回路プリント・テクノロジーを利用している。インクジェットで導電性インクをプリントするだけよいので、従来の水分センサーに比べてはるかに低価格で製造できる。コンセプトの実証研究の段階で、 Wiredが紹介したことがある。2ヶ月前に会社が設立され、SenSproutの商品化を目指している。


SenSproutセンサーのユニークな特長はバッテリーを必要としないことだ。なんとこのセンサーは周囲を飛び交う電波(テレビ、ラジオ、携帯等)を微小な電力に換えて作動する。モニターの結果は、専用アプリで視覚化される。


次に未来的な筋電義手を開発しているexiii のチームが登場した。共同ファウンダーの近藤玄大、山浦博志、小西哲哉の3氏に加えてプロダクトのユーザーでエバンジェリストの森川氏がデモを行った。eiiiはは家庭の3Dプリンターで出力できる低価格で高機能かつスタイリッシュな義肢の開発を目指している。義肢を必要とする人々すべてが購入できるような製品の市販がチームの目標であり、300ドル程度を目指している。日本では義肢を必要とする人々のうち筋電義肢を実際に利用できているのは、高価格に妨げられて1%程度に留まっているという。


森川氏が実際に装着してデモを行った。森川氏は右腕を一部失っているが、exiiiの義手により500g程度の物体をつかむことができた。またアタッチメントを介してカメラを保持することもできた。


デモセッションの最後はPlen2だった。 Led by 赤澤夏郎、富田敦彦、伊藤 武仙の3氏のチームの目標は「誰でも作れる小さなヒューマノイド・ロボットによりロボットと暮らす未来をみんなに届ける」ことだという。チームはロボットの日常のツールとしての価値を幅広い層に啓蒙しようとしている。


この目標を実現するために開発された小さなロボットはパーツの大部分が家庭で3Dプリント可能だ。ユーザーはモーター部分だけを購入すれば、他のパーツは自分でプリントして組み立てることができる。組み立て済みの完成版も注文できるというが、私には「プリントして自作できるロボット」というコンセプトが面白かった。かわいらしい小さなロボットはスマートフォンやタブレットから操縦でき、歩いたり、踊ったりするほか小さな玩具の車の運転までできる。



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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+








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2015年3月3日火曜日

完全に自分の目に合ったアイラッシュカーラーを3Dプリントで作ってくれるVoir Creations

これは、物理的にはとっても小さな問題に対する、徹底的なソリューションだ。


生物学者のAdele Bakhtiarovaには、これまでずっと、市販のどんなアイラッシュカーラーも合わないのだった。とくに、自分の目の端の方のまつげにまで届くのが、なかなか見つからなかった。これまで、何十個ものアイラッシュカーラーを試した。どれも、皮膚を噛んだり、まつげがカールせずにL字状に曲がったりする。


Founders Fundが投資しているゲノム配列技術のスタートアップHalcyon Molecularの社員だった彼女は、副業としてアイラッシュカーラー問題に取り組むことにした。


最終解に到達するまで、15か月かかった。その間、CADを使ってハードウェアを設計する方法を勉強し、East Bayで見つけた3Dプリンタでプロトタイプを作り、そのためのモバイルアプリも作った。


その25ドルのアイラッシュカーラーは、顧客の目に合わせて彼女が3Dプリントする。アプリは顧客の目をスキャンしてデータを彼女のスタートアップVoir Creationsに送り、そこで顧客の顔の3Dモデルが作られる。今彼女は消費者の反応を知るために、Kickstarterで3万ドルを集めようとしている


これ自体はささやかなプロジェクトのようだが、でも大きなポテンシャルを示唆している。商品〜製品の徹底的なカスタム化、個人化の“量産化”を可能にするかもしれない、3Dプリントの潜在的な力だ。今それは、車などだけでなく、ありとあらゆるものに求められているのかもしれない。


本誌もこれまで、美容関連のプロダクトを何度も取り上げた。昨年のTechCrunch Disrupt NYでGrace Choiが披露したMinkは、メークアップ用のシェードを3Dプリンタを使ってカスタム化した。もっとシリアスな例としては、3Dプリントで義足をカスタムメイドするYC傘下のStandard Cyborgがある。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa








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2015年2月17日火曜日

IBMのスーパー人工知能Watsonに接続して子供たちと会話するスマートおもちゃ登場

Elemental Pathというスタートアップがスーパー人工知能、IBM Watsonシステムを利用した子供向けスマートおもちゃを開発している。可愛らしい恐竜スタイルのおもちゃは子どもたち一人ひとりを記憶し、複雑な会話を交わすことができる。子どもたちが成長するのに合せて自らも変化する。CogniToysと名付けられたプロダクトは高度な音声認識能力を備え、子どもたちと会話しジョークを飛ばし、多種多様な「何?」、「誰?」、「なぜ?」、「どうやって?」などの質問に答えることができる。


CogniToysは現在Kickstarterに登録され、量産開始のために5万ドルの資金を募っている。


共同ファウンダーのDonald Coolidge、JP Benini(この2人元Majestyk Appsのエンジニア)とArthur TuはIBMが主催したWatsonを利用するプロジェクトのコンテストで優勝してWatsonテクノロジーへのアクセスを認められたたのを機にElemental Pathを創業した。


共同ファウンダーはいずれもまだ子供がないが、「インターネットに接続したスマートおもちゃ」が子どもたちを楽しませると同時に有益な効果を挙げると信じている。


CogniToysの恐竜はまだ初期プロトタイプで、3Dプリンターで出力されたものだが、量産時にはLeapFrogタブレットのような柔らかい合成ゴム素材となるという。 全根面に大きなボタンがひとつだけ設けられており、これを押すことで対話がスタートする。


スピーカー、マイク、バッテリーとインターネット接続のためのチップだけと内部構造は非常に簡素だ。処理はすべてクラウド上で行われる。


「インターネット接続デバイスのメリットは製造コストが低いことだ。製品の価格も安くして普及を図ることができる」とCoolidgeは説明する。


IBM Watsonの強力な人口知能に接続しているため、CogniToysの応答速度は極めて速い。Elemental Pathによれば1秒か、多くの場合それ以下だという。


このおもちゃは特定の子供が使い込むにしたがって賢くなるが、クラウドに接続しているため、他のすべての子どもたちが使った際のデータも利用できる。たとえば他の子供がすでに尋ねた質問がクラウドに記録されており、別の子供が質問したときに即座に答えることができる。おもちゃのコンテンツはすべてクラウド上にあるため、リアルタイムでアップデートが続けられる。もしある子供の質問に対する答えがシステムに用意されていなかった場合、コンテンツはアップデートされ、次の子供が同じ質問をしたときにはすぐに答えられるようになっている。


対象年齢は4歳から7歳で、それぞれの持ち主に対して個別にカスタマイズされる。小さな子がユーザーである場合、システムはジョークを言ったり物語を聞かせたりする。年上の子からは、数学や地理など勉強に関連するテーマを含めさまざまな質問を受け付ける。ただし、一部の質問については質問に答えないようにプログラムされている。たとえば「赤ちゃんはどこから来るの?」という質問には「それはママに聞いてね」と答える。


また両親は子供の名前、年齢、性別などの基本情報を設定することができる。またクラウド上のダッシュボード・サイトに接続して学習の進展をリアルタイムでモニターできる。


Kickstarterでは現在、99ドルで1台、190ドルで2台を予約できる。ただしElemental Pathの長期のビジネスプランはおもちゃの製造そのものよりも人工知能利用の教育的ソフトウェアの開発にあり、最終的にはライセンスをビジネスのメインとしたいということだ。


Elemental Pathはマンハッタンに本拠を置いており、ファウンダー自身や家族、友人からの少額の投資で運営されている。しかし近くシード資金を調達することになるだろう。


CogniToysの出荷は11月1日を予定している。



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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+








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2015年2月3日火曜日

マイクロファクトリー:製造業へのインターネット適用は第三の産業革命を起こす

編集部: John B. Rogersはマイクロファクトリー方式で自動車を3Dプリントして製造販売するLocal Motorsの共同ファウンダー、CEO。同社はアリゾナ州チャンドラー、テネシー州 ノックスビル、ネバダ州ラスベガスに所在する。


アメリカの製造業に新たな未来を開く動きが始まっている。


MakerBotTechShopKickstarterのようや会社は、伝統的な産業化による製造業と雇用のモデルと、現在広まりつつあるフラットでネットワーク化した世界における製造と雇用モデルとの乖離を埋めるための重要な架け橋の役割を果たそうとしている。


先進国における製造業の未来を考えるにはその財務、資金調達と実際の製造プロセス、双方の新たなモデルを必要とする。その一つがマイクロファクトリーだ。


われわれの会社、Local Motorsでは、「ローカル企業がビッグになるにはそのローカルをビッグにしなければならない」と言い習わしている。世界でもっとも人口密度が高く、購買力も高い地域で大型のハードウェア製造(家電製品や自動車など)を開始すれば、意味のあるレベルの雇用を提供すると同時に、そのコミュニティーのニーズに迅速に反応しつつ、プロダクトの開発速度を大幅にアップできる。


私は中国で3年過ごし、Foxconnが作り上げた巨大工場について詳しくまなんだ。それ自体が都市であるFoxconn工場では靴箱に入る程度の大きさのものであれば、文字通りありとあらゆる電子製品を製造することができる。製造、保管、出荷のプロセスすべてが簡単だ。しかし、靴箱サイズよりずっと大きいプロダクトを大量生産しようとすると、Foxconnのような便利な施設は少ない。ましてそれに必要な資金を得るチャンネルはほとんどないといってよい。製造に必要なツールも部品も高価であり、流通も難しい。すべてが高いコストがかかり、一つのjミスが命取りとなりかねない。


しかし未来に向けて明るい展望も存在する。われわれは「第三の産業革命」ともいうべき新たなエコシステムの確立に向けて起業家の努力が実を結び始めている.


歴史を振り返る


ジェニー紡績機が蒸気機関と結びついて最初の産業革命が始まった。ジェームズ・ハーグリーブズが紡績機械を発明しなかったら衣類の大量生産は不可能だった。20世紀に入るとヘンリー・フォードが流れ作業による製造ラインを備えた巨大工場を完成させ、複雑な機械の大量生産に道を開いた。.蒸気機関はやがて石油を燃料とする内燃機関に置換えられた。この第二の産業革命はトヨタ自動車のカイゼン・プロセス、つまり組織的かつ絶え間ない品質改善の努力によって完成の域に達した。そしてリーン・マニュファクチャーやシックス・シグマなどの高度な品質管理手法を産みだしている。


われわれが第三の産業革命と呼ぶのは、最近登場し始めた「インターネットを適用されたプロダクト」を指している(いささか使い古された感のある「モノのインターネット」より広い概念だ)。ここで「インターネットの適用」と呼ぶのは、「リアルタイムでの情報へのアクセス」、「産業用製造ツールの低価格化」、「有効な法的保護の提供」の3つの側面を意味している。


ローカルの起業家がグルーバルな巨大企業と同じ土俵で戦えるフラットで分散的な経済が第三の産業革命の特長だ。これを可能にするのは、伝統、慣例にとらわれない柔軟な発想と、そうしたイディアを即時に世界的に共有できるプラットフォームの存在だ。


即時かつ広汎な情報へのアクセス


たとえば私がMakerbotのクラウドソース・ライブラリ、ThingiverseからドアのグロメットのSTLファイルをダウンロードすれば、数時間後には3Dプリンターからその実物が出力され、われわれの自動車のドアに組み付けることができる。われわれのコミュニティーでは常に誰かが新しいアイディアを出して、それが共有されている。GE AppliancesはFirstBuildというマイクロファクトリーを建設した。目的は世界中の才能ある人々のアイディアに対して開かれたハードウェア工場だ。


製造ツールの低価格化


マイクロファクトリー方式のメーカーは高価な産業用ツールを低コストで利用できるようになった。TechShopなどを通じて強力なコンピュータ・パワーと産業用3D プリンターを時間借りできる。Cathedral Leasingなどを通じてリースも可能だ。


またアメリカ・エネルギー省のオークリッジ国立研究所ではORNL Manufacturing Demonstration Facilityという野心的プロジェクトで、研究者と民間企業が共同してスーパーコンピュータにアクセスし、最先端の製造でくのロジーを開発、実証する試みが進んでいる。


製造プロセスのクラウドソース化、資金調達のクラウドファンディング化によって、ハードウェア、ソフトウェアを問わず、製造業にに必要な当初資金は大幅に低下しつつある。


有効な法的保護


現在、アメリカではユーザーが生んだ知的所有権に対するさまざまな保護と調整の仕組みが整備されている。Creative CommonsMITGNU のようなオープンソース・ライセンスはマイクロ・ファクトリーが安心して広汎な既存の知的財産を利用し、改良してさらに共有する道を開いた。


マイクロファクトリー


マイクロファクトリーは、その小さいサイズ、高いアクセス性、必要な資金の少なさという重要な意義を備えている。


靴箱より大きいハードウェアをマイクロファクトリー方式で製造するなら、その成功の可能性は高い。なぜならデザインのクラウドソースと3Dプリンターを駆使するマイクロファクトリーはアイディアを形にするスピードが伝統的メーカーより格段に速いからだ。


クラウドソースは、即座に世界中の能力ある人々の知恵を借りることを可能にする。クラウドソーシングを理由すればエンジニアリング上のどんな難問でもきわめて短時間で解決可能だ。3Dプリンターは製造過程を高速化するだけでなく素材の利用効率が高く、結果的に無駄を出さない。これよって製造に必要なスペース、原材料が大幅に削減され、事業立ち上げのための資金も少なくてすむ。


マイクロファクトリーは伝統的製造業に比べて効率的なので環境負荷も低く抑えられる。消費地に接近しているため輸送、流通のコストも小さく、消費者の反応を即座に感じとって製品改良に活かすことができる。.


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+








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2015年2月2日月曜日

忘年会でバカ受け"空間写真"、Fyuseは動画ともパノラマとも違う第三の画像技術

以下の画像はぼくが去年末、忘年会の席上で撮って同僚に見せて「なにこれっ! 面白い!」とオオウケしたマグロのカマの写真だ。リンク先へ飛んで、できればスマホのブラウザで表示して端末を左右に傾けて見てみてほしい。そこにカマが存在するかのように、手の中で3次元ぽい物体が転がっているように見えるはずだ。PCのブラウザならマウスでドラッグすれば動く。ネイティブアプリをダウンロードすれば、高精細な3次元ぽい映像として再現できる。



これは、スマホで「空間写真」を撮影できるとするアプリ、「Fyuse」(フューズ)で撮影したものだ。撮影する対象物に対してデバイスをぐるっと巡らせると、まるでスマホの中に3D空間を閉じ込めたような写真が撮影、再生できる。


以下がFyuseの公式紹介デモ動画だ。



動画の順再生と逆再生をしてるだけか?


この映像を友人らに見せたところ反応は2つに分かれた。これはスゴいね、面白いねというものと、これは3Dとかとは関係がなく、単にキャプチャしたフレームをパラパラと再生しているだけではないかという冷めた反応だ。前者は非テック系のスマホ利用者。後者はメディア関係者やエンジニアで、疑り深い人たちだ。


ぼく自身は、使ってみてすぐにFyuseはタダモノではないと思った。いろんなアングルや撮影方法を試すと、単純なコマ再生・逆再生とは違うことは分かるし、周囲に見せたときのウケがとにかくいい。これはスゴいアプリだと思った。ただ、信用している人たちに「見せ方がうまいだけで、そこには何の新規性も技術もないんじゃないの?」と言われて、そういえばそうなのだろうかと思ったのも事実だ。


「新しい技術が登場するときには、ともかく否定してかかる人たちというのは必ずいるものです」


Fyuseを開発したサンフランシスコ拠点のスタートアップ企業、Fyusionの共同創業者でCEOのラドゥー・B・ルス(Radu B. Rusu)にSkypeで質問を投げてみたところ、こんな答えが返ってきた。Fyuseはスローモーション動画とかパノラマ写真に似ているものの、実は全く別の画像処理技術をベースにしているという。


複数センサー利用で空間を再現


Fyuseは具体的に何をしているのだろうか?


「Fyuseを開始すると、加速度センサーの情報も加味し、カメラでとらえた映像の解析を始めます。ただし、デバイスが静止している限りは映像はキャプチャしません。ユーザーがデバイスを動かし始めたら映像をキャプチャします。静止しているときにキャプチャしないのは、Fyuseは空間を捉えるので時間の経過はどうでもいいからです」


「Fyuseでは常にカメラの位置を推定しています。これはジャイロだけではできません。ジャイロでは相対的な向きの変化だけしか分かりませんから、ビデオフレームの解析と写真測量法と呼ばれているものを組み合わせています」


受光素子も含めて複数のセンサー情報を総合的に解析する「センサーフュージョン」と呼ばれるアプローチのようだ。こうしてデバイスの空間内での絶対位置を推定して、以下の図のように空間上の一定間隔ごとに捉えた「ノード」上からの「ビジュアル・グラフ」を構成するのだという。ノード間は差分としてデータ化してあって、これによりノード間はほとんど無限の粒度でスムーズに補完が可能なのだそうだ。


Fyuseの画像を見ると、動画やパノラマ写真に似て見える。しかし、高画素の動画であれば、100MBとか200MBのデータ量になり、スマホでの閲覧に適さなくなるはずだ。Fyuseのデータは1〜2MB程度だから3Gのスマホでも少し待てば再生できる。現在はEC向けの応用のために500KBまで減らすブラウザ向けビューワーも開発しているという。Fyuseの画像データは、それそのものでは、JPEGのような2次元とも、MPEGのような動画とも違っていて、2次元の画像とカメラ位置のノード情報を持っているそうだ。これまでオープンソースの画像処理ライブラリを作ってきたラドゥーらしく、Fyusionではこのフォーマットの標準化のためにISOに働きかけを始めているという。


Fyuseの画像をスワイプしてみると分かるが、背景画像がスムーズにパンしている中で、前景の人物が歩いていたりする。Fyuseでは被写体の中の対象物を点群として認識するものの、実用面での理由から実装上は現在2つのレイヤーで2次元映像を再構成しているという。レイヤー数自体は任意に増やすことができるものの、これで十分だとか。パノラマ写真、特にセルフィーで風景を広く収めて撮影するようなときに、これは有利。セルフィーという応用分野は開発初期には想定していなかったそうだけれども。一般にパノラマ写真では継ぎ目の問題があるために、「腕が5本あるようなゴーストが現れたりするが、Fyuseでは前景の人物も自然に動く」とラドゥーは指摘する。確かにスローモーションで雪が降る中、人々がゆっくり歩くという見たことのない映像を見ることができる。


Fyuseのような技術が可能となったのは、デバイスの急速な進化が背景にある。「最低でも2コアと、そこそこのGPUが必須です。iPhone 4以上のスペックが必要で、撮影後の事後処理はiPhone 4Sで5秒以上、iPhone 5で3秒、iPhone 6で1秒程度です。iPhone 7だと全部リアルタイム処理可能になると見ています」


3次元グラフィクスの専門家として、誰にでも使えるものを作りたかった


ラドゥーは、画像処理をかじったことのあるエンジニアなら誰でも知ってるだろうオープンソースのライブラリ「OpenCV」の開発メンバーの1人で、かつ同様のオープンソースの3次元点群ライブラリ「PCL」(Point Cloud Library)の設立者でもある。3次元グラフィクス分野で10年の経験があるという。


それまでOpen PerceptionというNPOで働いていたり、ロボティクス関連のWillow Garageでリサーチサイエンティストという立場で活動してきたラドゥーがFyusionというスタートアップ企業を創設した理由は、これまでに研究してきたテクノロジーを使って、一般ユーザーに使えるものを作るためだという。


「3D画像というのは技術者にとっては点群やメッシュ、八分木のことだったりします。でも、コンシューマーにとっては3Dといえばマトリックスの世界なんですよ」


2013年の創業当初は、ちょうど3Dプリンタブームが起こりつつあったときなので、カメラとKinnectを使ってトライアングメッシュによる3Dモデルを作るテクノロジーを作っていたという。ただ、これは結局あまり利用者がいないことが分かって6カ月で方針転換。


「2013年にスマホの利用時間がPCを上回ったのです。それで、全てのスマホで使える何かが作れないだろうかと考えたんです。つまり単眼のカメラを使った応用です。3Dプリンタにしか役立たないものじゃなくて、もっと没入感があって、美しい何かです」


「われわれの周囲のもの、例えば太陽や空、波のような透明なものは3Dの数学的モデルでは表現できません。ハイブリッドを作る必要があったのです」


「2つのメジャーな映像記録の方法を振り返ってみましょう。2Dのスチル写真と動画です。この2つはコンピューター登場以前からありました。とても長く存在しているので、もはやわれわれのDNAの一部のようになっています。だから、これら以外の方法があると想像もせずに使い続けているだけなのです」


「例えば写真。100年ぐらい前に2次元の映像を捉えるのに成功した人がいました。スチルカメラの誕生です。その後、コンピューターが登場して、それでデジタル化して、われわれはJPEGを作りました。もう1つは映像。これも36mmフィルムができて、それをデジタル化してMPEGやH.264を作りました」


「時間と空間をスライスして画像を捉えるのが写真です。一方、ビデオは時間をキャプチャするものです。30フレームとか60フレームとかですね。しかし、空間を捉える方法がなかったのです。Fyuseは空間を捉えるものなのです」


北米の写真・動画カテゴリで第4位に


色々と撮影してみると分かるが、単純な子どもだましのアプリではない。一方で、冒頭に冷めた指摘を紹介したとおり、単に傾きを検知して動画の順再生と逆再生をやっているだけに見えなくもない。いくら高度な画像処理技術を使っていたところで、ユーザーに受け入れられないなら意味がない。


AppAnnieでランキングを見てみたところ、北米のApp Storeの写真・動画カテゴリで1月18日にはVineを抑えて、Instagram、YouTube、Snapchatに続く第4位を獲得。順調にソーシャルネット上で利用が伸びているようだ。Fyuseは2014年12月にiOSとAndroid向けにバージョン2.0がリリースされている。


ソーシャルに体験をシェアするという意味では、Facebookなどと相性が良さそうで、いかにもFyuseは買収対象となりそうなアプリに思える。あるいは、ネイティブ実装のほうが再生環境としては好ましいことから、iPhoneのようなデバイスに統合されることがベストなのではないか。この点についてラドゥーに尋ねてみたところ、「これまでの買収の提案は断っています。われわれは、どこかのSNSに売って消えたいとは思っていません。これまでOpenCVやPCLでもそうでしたが、われわれは長期に考えてプラットフォームを作ってます。Androidデバイスの製造メーカーとの話も始めています。Fyuseというアプリはテクノロジーのショーケースとして作りました。ソーシャルに使えるアプリにすれば、人々がこの技術を気に入るか気に入らないかはすぐに分かりますからね」


Fyusionは2013年設立。日本のUTEC(東京大学エッジキャピタル)、米国VCのNew Enterprise Associatesほか個人のエンジェル投資家から2014年5月にシリーズAとして355万ドルの投資を受けている。個人投資家の中には、サン・マイクロシステムズ社の共同創業者で、創業前のGoogleに10万ドルのチェックを切ったことで有名なアンディ・ベクトルシャイム氏も名を連ねていることを付け加えておこう。








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2015年1月27日火曜日

アフリカの女子の科学技術教育の中心に3Dプリントを据える試み、Youth For Technologyの3D Africa事業がスタート

非営利団体Youth For Technologyが、3Dプリントを通じてアフリカの少女たちに科学と技術を習得させようとしている。同団体は今Indiegogoで資金募集のためのキャンペーンを行っている。学校に置く3Dプリンタなどを買うために、資金が必要なのだ。


その3D Africaと名付けられた事業はすでに、先輩の非営利団体Women Enhancing Technology(WeTech)の助成金を得ているが、もっと多くの生徒たちを対象とするためにIndiegogoでも募金をしている。


3Dプリントという具体的な方法が選ばれた理由は、プリントするオブジェクトをデザイン〜設計し、実際にプリントするまでには、科学と技術(生産技術)と数学の学習が必要とされるからだ。また電話機のケースやアクセサリ、アート作品など具体的な物ができあがるので、自分が学んだことの意味や成果がよく分かる。



Youth For Technologyの理事長でCEOのNjideka Harry自身の言葉によると、3Dプリンタを選んだ理由はそれがアフリカにおける失業者の減少に貢献し、教育と仕事を直接的に結びつけることができるからだ。


Harryは次のように語る: “とくに重要なのは、3Dプリントはオンデマンドで物を作るから、サプライチェーンの形が独特で、製造業の費用の大きな部分を占める部品の在庫という部分がほとんどない。3Dプリントは2025年に全世界で5500億ドルという市場規模になる、と言われている。その技術は、この大陸を、‘アフリカへの援助’から‘メイド・イン・アフリカ(Made in Africa)’に変える”。


とくに、技術や科学や数学の勉強から遠ざけられていることの多い多数の女子に、STEM(Science, Technology, Enginnering, Mathematics)への関心を植え付けることが重要だ、とHarryは述べる。


“科学は男のもの、とされる文化的偏見がある。そのため、人口の半分を占める女性が、科学や技術に関して無能力のまま一生を送ることになってしまう”。


Youth For Technologyの目標は、若者が起業家になれるための教育事業を作り出すことだ。そのためのカリキュラムはYTF Academyと呼ばれ、生徒たちにテクノロジ関連の学科の勉強を動機付けていく。3D Africaはナイジェリアから始まり、1年後にはほかの国々にも展開していくという。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))








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2015年1月23日金曜日

ドイツの研究所が実際にテレポートマシンを作った??


Hasso Plattner Instituteの最新プロジェクトで“転送”されてみたい人は、まだいないと思うが、この研究所が作ったテレポートマシンでは、送信した物が一度破壊されて、3Dプリンタで再び組み立てられる。


テレポート(teleportation)とは、通常の理解では、物が別の場所へ移動することだ。そのときの送受信機と通信回線の上では、物が原子に分解されて送られ、再び元の物へ組み立てられる。…といった、ありえない方法が使われる。しかしこの研究所のテレポートでは、物がスキャンされてその3Dモデルが作られ、それが遠くの3Dプリンタへ送られて、プラスチックで再生される。その際、元の物は粉々に砕かれる。たとえば、あなたが持ってる珍しいフィギュアをテレポートすると、その物は粉にされてしまい、別の場所にその正確なコピーが作られる。その物がプリントされたら、その3Dモデルのデータも迅速に破壊される。


二台の3Dプリンタを使うが、片方はグラインダーとスキャナ役を担当し、もう片方はRaspberry Piによる受信装置が暗号化されたメッセージを受信する。このプロジェクトはScottyというたいへん可愛らしい名前で、完成品のプロダクトというよりもむしろ、新しいアートの方法を概念実証しようとする実験的なプロジェクトだ。


研究者たちはこう言っている:



Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない。今のプロトタイプは、単一の物質(プラスチック)しか使えないという制約があるが、アプリケーションの重要な目的二つをすでに実現している: (1)物の単一性を保持するので、友だちなどとの共有においてその物の感情的価値が保全される。(2)所有者はつねに一人なので、物を電子的に急速搬送した場合のライセンスの問題を解決する。



つまりScottyなら確実に、その物はどんなときでも一つしか存在しない。一つしかないことに伴う感情的価値や商業的価値が保全される。また、テレポートの実現性を証明する。複雑な物はこのシステムでは無理だし、生きてる猫も送れないが、アイデア自体はかなりクールだ。


研究者の一人、Stefanie Muellerが上でこう言っている: “Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない”。たしかに破壊的ではあるけど、でもテレポートという考えがそもそも、物理的なパラドックスという名の苦行を物に強いることではないだろうか。


出典: 3DPrint


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))








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2015年1月8日木曜日

リアル志向、フリマ、インスタントEC――激変するEC業界を振り返って2015年を展望する

編集部注:この原稿はイイヅカアキラ氏による寄稿である。イイヅカ氏はウェブ制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事したのち、フリーランスのデザイナー兼ブロガーとして活動。現在はウェブ接客ツール「KARTE」を開発するプレイドに所属しており、同社にてEC特化型メディア「Shopping Tribe」の編集長兼ライターを務めている。


2013年はEC業界にとって激動の1年と言われたが、2014年はその変化が着実に浸透していった1年となった。リアルとネットを繋げる動きが進み、スマートフォンの台頭による、新しい購買行動を創出する動きが目立った。


そして2015年、筆者はトレンドとなるのが「カスタマイズEC」と「ウェブ接客サービス」という2点だと考えている。ここではまず3大モール、フリマアプリ、インスタントコマースという切り口で2014年のEC業界の動向を振り返りつつ、あらためて2015年のトレンドについて考えていきたい。


無料化やリアル進出――3大モールはどう動いたか


まずは国内の主要3大モールである、楽天Yahoo!ショッピングAmazonの動きを振り返ってみよう。


2014年に最も大きな変化があったのはYahoo!ショッピングだろう。2013年10月に「eコマース革命」と銘打って手数料・月額利用料・売上ロイヤルティを無料にしてから約1年が経過したが、2014年には2つの大きな変化があった。


1つめは店舗数だ。eコマース革命以前は約2万件だった店舗数は2014年9月末時点で19万3000件と大幅に増加。1年で約10倍の店舗数に拡大した。


2つめは商品数だ。店舗数の拡大もあって、商品点数はeコマース革命以前から約5割増加した1.2億点となった。現在国内で商品点数ナンバーワンを誇る楽天市場の商品数は1.5億点であり、その数字に迫るものとなっている。2015年早々にも商品数で逆転することが予測される。


Yahoo!ショッピングの施策は手数料などの無料化だけではない。出店の敷居を下げるために、5分ほどで簡単にショップを作れる「ストアクリエイター」を1月22日から導入し、2月からは個人の出店受付も開始した。全体の割合としては法人が上回るようだが、出展を法人に限定する楽天市場の店舗数は4万1000店(2014年12月時点)であることを考えると、出店対象者が大きく広がっていることがわかる。


このように大きな変化は見られたものの、第2四半期(7月〜9月分)のショッピング関連の流通総額の伸びは前年同期比で10%増にとどまった。2014年は売れるモールになるための下地を作った1年であったといえるだろう。


楽天に関しては、リアルでの消費行動に関連するサービスの拡充が目立った。


店舗でチェックインするだけでポイントが貯まる「楽天チェック」を4月に開始し、楽天市場で人気のお取寄せスイーツなどを提供するリアル店舗「楽天カフェ」を5月に東京・渋谷にオープン。そして、コンビニなどの全国約1万2,600以上の加盟店舗で楽天ポイントの貯蓄・利用ができる「Rポイントカード」の発行を10月に開始した。楽天はこれまでも「楽天経済圏」という構想を都度語っていたが、そのリアルへの拡張ともいえる動きは、2015年も強化されていくことになるはずだ。


もうひとつの気になる動きは、米国でサービスを展開する2社の買収だ。買収したのはECサイトの購入履歴を集約するサービス「Slice(スライス)」とキャッシュバックサイト「Ebates(イーベイツ)」。いずれも米国におけるデータ収集という狙いもありそうだが、米国展開強化の一端と言えるだろう。


Amazonは、有名店のプライベートブランド商品を集めた「プライベートブランドストア」を開設するなど、2014年も専門ストアの拡充が多く見られた。また同時に2013年10月からはメーカーとコラボしてAmazon限定の食品販売を開始するなどしている。この背景にはAmazonが持つビッグデータの存在がある。同社は自らが持つデータをもとに、ユーザーの望むテイスト、モデル、カラー、デザインの限定商品を開発したわけだ。


店頭受取サービスを開始したことも重要な動きの1つだ。これまでも行っていたコンビニ受取の取り組みを拡張するものだが、ヤマト運輸と提携しすることで、ヤマトの営業所で最短当日受取が可能になった。ちなみにコンビニについては、ローソンでは翌日、ファミリーマートでは2日後に受け取ることが可能だ。


実は、セブン&アイが自社グループのECで購入した商品を対象に、セブン-イレブンの店舗で当日受取を可能にしようとする動きがある。同社は2015年のサービス開始を目標にしているが、Amazonはこれに先んじて実現した形だ。コンビニとの連携という点ではほかにもローソンと共同で、店頭のLoppi端末の電話などを使用した店頭注文サービスも開始している。今後もECをリアルに拡張する動きとしてコンビニが重要な役割を占めていくことになりそうだ。


米国ではさらに、ニューヨークに拠点を設け自転車による1時間以内の配送を実現する「Amazon Prime Now」を開始している。ほかにもドローンでの配送やタクシーの配車アプリを活用した配送など、さまざまな試みも進められている。Amazonの物流の強化はとどまるところを知らないようだ。


フリマアプリが躍進——メルカリ・Frilが好調


2014年はフリマアプリが注目された1年でもあった。


フリマアプリ市場を牽引したのは、メルカリの「メルカリ」だ。5月にテレビCMを開始してから、半年で約400万ダウンロードを伸ばし、12月時点で700万ダウンロードを突破した。月間流通総額は数十億円規模となり、フリマアプリの中では頭ひとつ抜けた存在となった。3月には14.5億円、10月に23.6億円と大型の資金調達を立て続けに行い、9月には米国版を正式にリリースした。


もう1つ、市場を牽引する存在となっているのがフリマアプリブームのきっかけとなったFablicの「Fril」だ。女性特化型ながら250万ダウンロードを突破し、月間流通総額は5億円を超える。9月には10億円の資金調達を実施し、その翌月からテレビCMを開始した。8月にはFril内にブランドの公式ショップを立ち上げるBtoCサービスも開始しており、こちらも好調のようだ。


LINEの「LINE MALL」も2014年3月から本格的にスタートし注目を集めた。誰ともかぶらない、かつ最も安い購入価格を設定した人だけが商品を購入できる「チャンスプライス」や共同購入が可能な「LINEグループ購入」、さらにLINEでつながっている友人にギフト商品を送ることができる「LINE ギフト」など、LINEのプラットフォームを活かした独自サービス展開をしている。


好調なフリマアプリが注目される一方で撤退を選択した企業も相次いだ。サイバーエージェントの「マムズフリマ(元 毎日フリマ)」や、ブランド品に特化したWhyteboardの「LISTOR(元 Whytelist)」、男性向けに特化したドウゲンザッカーバーグの「bolo」などは、フリマアプリに早い段階で参入していたもののすでにサービスを終了させている。


事業者の明暗が分かれたようにもみえるフリマアプリだが、2014年後半も新規参入があった。もっとも話題を集めたのは、11月に登場した楽天のフリマアプリ「ラクマ」だ。


実はメルカリは開始以来無料で提供してきた販売手数料を10月から有料にし、販売価格の10%が発生するに形に変更している。これを好機とみたのか、ラクマは手数料無料でサービスを開始している。そのタイミング、そして楽天のブランド力もあって注目を集めることとなった。この他に、SHOPLIST.comを運営するCROOZの「Dealing(ディーリング)」や、プリクラ機のトップシェア持つフリューの「Bijoux de Marché(ビジュードマルシェ)」も10月からサービスを開始しており、2015年も引き続きフリマアプリは注目の分野となりそうだ。


勢いの止まらないインスタントコマース


2013年から店舗数が増加する勢いが止まらなかったのがインスタントコマースだ。ブラケットの「STORES.jp」は2013年12月時点で6万店舗だったが、2014年11月には17万店舗に拡大。競合であるBASEの「BASE」は2013年10月時点で5万店店舗だったが、10万店舗(2014年11月)まで拡大させた。


STORES.jpは、この1年で親会社であるスタートトゥデイが展開する「ZOZOMARKET」や ハンドメイド素材大手のユザワヤ商事が展開する「ユザワヤマーケット」など提携するマーケットプレイスを様々な企業と共同でオープン。商品の露出機会を増やす施策を進めた。そして、ZOZOTOWNに出店する店舗が瞬時に自社店舗を開設できる「STORES.jp PRO」も3月に開始。ZOZOTOWNと在庫連携し発送もZOZOTOWNが行うため、店舗は負担を増やすことなく自社店舗を運営することを可能にした。


STORES.jpは2014年後半に店舗数の伸びが加速したが、2つの理由が考えられる。1つは、無料プランでは5点までだったアイテム登録の制限を撤廃したこと。もう1つはフォロー機能を開始したことだ。フォロー機能は、好きな店舗をフォローし、新着情報を取得できるようにするショップ利用客向けのサービスだが、この機能を利用するには会員登録をする必要がある。その登録手続きによって店舗も同時に開設されるため、これが店舗数の伸びにつながったものとみられる。


また会員登録によって、利用客が住所やクレジットカード番号をSTORES.jpに保存できるようにもなったのもポイントだ。STORES.jpのサイトで都度クレジットカードの入力が必要でなくなるという利便性は、それこそ楽天やAmazonのようなショッピングモールを利用しているユーザーからすれば無くてはならないものだ。


BASEは、開発者向けAPIの提供を10月に開始したほか、三井住友カードと提携しクレジットカード決済が店舗開設と同時に利用できるようになった。5月にはグローバル・ブレインから約3億円の資金調達を実施し、2015年以降にマネタイズを進めることも明らかにしている。


フリマアプリ、インスタントコマースの台頭したことに関して、共通しているのは売り手の敷居を下げたということ。これが本格的に浸透していったのが2014年なのではないだろうか。Yahoo!ショッピングもビジネスモデルを大きく転換し、この流れを加速させた。まだまだ足場を固めたレベルなのかもしれないが、2015年に大きな変化を生むような気がしてならない。


2015年に注目する2つの分野


冒頭で書いたとおりだが、筆者が2015年に注目している分野は「カスタマイズEC」と「ウェブ接客サービス」だ。


カスタマイズECは、ウェブ上で自分好みにカスタマイズし、自分だけの商品を注文できるサービス。日本では、10億通りのオリジナルシャツを作成できる「Original Stitch」などがサービスを展開しているが、技術革新が進み、ファッション・家具・食品など様々なジャンルから新サービスが登場しそうだ。3Dプリンタを活用したサービスも今後展開するものと思われる。


ウェブ接客サービスは、97%が何も買わずにサイトを立ち去ってしまうというECサイトの現状を打破すべく、接客をすることで購入率を高めようとするサービスだ。筆者が所属するプレイドでもウェブ接客サービス「KARTE」を開発しており、2015年に一般公開する予定だ。KARTEは来訪者をリアルタイムでどのようなお客様なのかを解析し、グループに分類した上で、その来訪者にあった接客(レコメンドやクーポンの発行など)を自動で行うというものだ。


これまでは、インターネットの特性を活かして多くの商品を多くの人に届けるために「効率化」ばかりに目が向いていた店舗も少なくないだろう。ウェブ接客により、リアル店舗のようにひとりひとりの訪問者にしっかりと対応していくことが、これから注目されるのではないだろうか。


2014年はさまざまな形でECへの参入、ECの利用の敷居を下げるようなサービスが登場したと感じているが、2015年にはそれらがどのように進化するのだろうか。また、新しいニーズを創出するどのようなサービスが登場するのか注目していきたい。


photo by

Maria Elena








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2014年12月18日木曜日

ウェアラブルデバイス「Telepathy Jumper」発表、だがそれは想像とちょっと違った

SXSW 2013にて「Telepathy One」が発表されてから1年半、2014年6月には創業者であり代表を務めていた井口尊仁氏の退任騒動も起こった(現在井口氏は同社のフェローという肩書で活動している)が、Telepathyがその製品の詳細を発表した。Telepathyの日本法人であるテレパシージャパンは12月18日、ウェアラブルデバイス「Telepathy Jumper」を発表した。同日よりデベロッパー向けの申し込みも受け付ける


Telepathy Jumperはこれまでのデモ機やモックアップにあったように、メガネ状(厳密には耳から後頭部、反対側の耳までをぐるっと回りこむデザインになっている)のウェアブルデバイスではない。カメラやディスプレイ、マイクを備える「ディスプレイユニット」と、バッテリーや操作ボタンを備えた「パワーユニット」をケーブルでつなげた形状で、ケーブル部を首にかけて使うのだという。医者が首からかけている聴診器をイメージすると分かりやすいかもしれない。


ちなみにモニタ部を目の前に固定する場合、専用のアタッチメントが必要となる。アタッチメントのデータはオープンソースとして公開。自身の頭部のサイズに合わせてデータを加工した上で、3Dプリンターで打ち出して利用する。



アタッチメントをつけてTelepathy Jumperを耳にかけたところ



ディスプレイユニットには、qHD(960×540)のディスプレイ、500万画素・オートフォーカスのカメラ、2つのノイズキャンセリング機能付きマイクなどを備える。パワーユニットには操作用のボタンのほか、1000mAhのバッテリー、8GBのメモリなどを備える。OSはAndroid 4.2で、ネットワークはBluetoothとWiFiを利用できる。実際にデモ機を使用させてもらったところ、ディスプレイは非常に明瞭。周辺の光が強い環境でもはっきり見ることができた。ただ、デモ機はモニターに映像を流しているだけだったので、聴診器型(便宜上こう呼んでおく)であるメリットがイマイチ分からなかった。2015年3月に法人向けに販売を開始し、来夏をめどに一般向けの販売を進める。なお価格は未定。


一般向けの販売に合わせて提供予定のアプリケーションも2つ紹介した。1つは、他のユーザーが見ている(カメラで撮影している)景色をあたかも目の前の景色のように閲覧できる「Eye Connect」、もう1つはユーザーが持っている特技などを、Telepathyを使って他のユーザーに教えたり共有したりできる「Talent Buzz」だ。Telepathy Jumperは「共創」をテーマにしているとのことで、そのテーマに沿ったアプリとなる。また仕様の詳細などは明らかにされなかったが、サードパーティーによるアプリケーション開発も検討する。


「以前から開発していた」という聴診器型デバイス


これまでのデモ機でメガネをイメージしていたこともあって、その形状には驚いたのだけれど、テレパシージャパン代表取締役の鈴木健一氏によると、「ユーザーテストで分かったのは、常にディスプレイが目の前に必要ではないこと」なのだそう。このような気付きから、これまでもメガネ型のデバイスと並行して聴診器型のデバイスも研究・開発していたそうだ。


実はTelepathy Jumperのバッテリーの容量は現在主流となっているスマートフォンの半分程度。そう考えると素人目にもメガネに仕込むにはちょっと大きいように感じる。実際以前にも複数の関係者から「メガネサイズでバッテリーの容量を確保するのは難しいのではないか」という話を聞いていた(が、今回の形は想像していなかったのでびっくりした)。なので、バッテリーの容量確保のためにメガネの形状を諦めたのではないかとも鈴木氏に聞いたが、あくまでメガネという形状での不便を解決するために現状の形になったという説明だった。たしかに普段使うメガネの上に、さらにメガネ型デバイスはつけていられない。



テレパシージャパン代表取締役の鈴木健一氏



すでに日立ソリューションズなど複数社での試験利用も始まっている。両手が自由に使えるウェアラブルデバイスは、工事や建築から製造、病院など、さまざまなビジネス現場でニーズがあるのではないかという話は各所で聞く。「聴診器型」である必要性はさておき、Telepathy Jumperのニーズもそこにあるはずだ。


また、鈴木氏は同日の会見でのプレゼンの中で「利用シーン」として東京ディズニーランドの写真を使用しており、質疑では同施設との関係について記者から質問が飛んだのだけれども、「数社とどのようにビジネスが構築できるか話をしている。ディズニーランドはまた後日ということでお願いしたい。(対応は)広報に任せます」(鈴木氏)とだけ回答していた。


ともかく、かつて代表だった井口氏が語った「2014年に届けたい」というスケジュールにはギリギリ間に合わなかったが、少なくとも2014年中にその姿が明らかにされた。この発表について井口氏がどう思っているかも鈴木氏に聞いたが、「海外にいて、ここ(会見)に来る前には話をしていないので心境は分からない」とのことだった(ただし、Telepathyのミーティングなどには参加しており、西海岸の情報などを共有してくれているそうだ)。








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2014年12月12日金曜日

Da Vinci 1.0 AiOは3Dプリンターの未来を体現―レーザースキャナー搭載の3Dコピーマシン

XYZPrinting da Vinci 1.0 AiOは3Dプリント・マニアのための3Dプリンターだ。AiOの筐体にはABS 3Dプリント・システムとレーザー3Dスキャナーが一体化して組み込まれている。底にはターンテーブルが設けられており、オブジェクトを乗せるとゆっくり回転し、レーザーが形状データを読み取る。そのデータにもとづいてオブジェクトが3D出力される。文字通り3Dコピー・マシンだ。オブジェク・イン、オブジェクト・アウトのシステムというわけだ。スタートレックのファンなら「レプリケーターだ!」と叫ぶだろう―たしかにそれに近いものではある。


われわれはbitを自由に操る時代から原子を自由に操る時代に足を踏み入れつつある。AiOは3Dとしては世界最良というわけではないだろうが、3Dコピーを家庭やオフィスで可能にする。この意味は立ち止まって少し深く考えてみる必要がある。ほんの数年前まで、そんなことは不可能だ、SFの世界の話だと思われていた。それがあっさり実現してしまったことも驚きだが、最大の驚きは価格だ。AiOはわずか799ドルだ。799ドルで、最大7.8(19.8cm)×7.8(19.8cm) x7.5(19cm)までのオブジェクトを3Dスキャナーでスキャンし、ABS素材で出力できるのだ。高性能のカラーレーザープリンタでもそのぐらいする。


実際の作動はどうか? AiOはすべての面で満足な作動をみせる。出力は驚くほど滑らかで解像度も高い。私がテストした3D出力(下の写真)の品質は十分合格だ。Marioのスターツリーは任天堂ストアから取り寄せたかと見まがうばかりだ。これらの出力物には一切後処理を加えていない。音も静かだ。聞こえるのはノズルを移動させるモーターとファンの作動音だけだ。


ただしスキャンニングは事前の計画が必要だ。光を反射するオブジェクトは避けた方がよい。またつや消しの表面でも一部のディテールは失われる。陶器の象と石膏のガーゴイルを試してみたところ、ガーゴイルはうまくいったが象はダメだった。しかしライオンの小像はすばらしい出来栄えだった(頭部に若干の欠けが発生)。無


というわけでこれは驚くべきマシンだ。しかしいくつか注意点もある。まずAiOは非常に大きい。おそらくMakerbotの2倍はあるだろう。たいていの家庭用レーザープリンターよりもかさばる。またいくつか重要な限界がある。


AiOが正常に出力している間はまるで魔法を見ているようだ。しかしひとたび何かがうまくいかなくなると大変だ。プラスティックがノズルの周辺で固まり、小さいピンセットで忍耐強く剥がさねばならない。このマシンは一体型ですべては筐体の中にきちんと収まっている。そのためプリントヘッドに手を届かせるのが難しい。AiOではオールインワン型の3Dプリンターの良い点と悪い点がともに極端な形で出る。そしてHPその他のインクジェットプリンター・メーカーがとっくに知っていることだが、プリンターはインクで利益を出すビジネスだ。


AiOは1.75mmのABSフィラメントを収めた専用カートリッジを使う。カートリッジにはEEPROMが仕込んであって、ユーザーが自由にリフィルできないようになっている。しかし ハックは可能だ。もっとも600gのカートリッジがわずか30ドルだが、それでも自分でフィラメントを選びたいホビイストは多いだろう。


しかし普段は専用カートリッジを使うとしても、XYZPrintingがこのカートリッジの生産を止めたり、あるいは倒産したりしたときにはハックする方法を知っていないと困ったことになる。しばらく待てば、もう少し精度の高いスキャナーとオープンなフィラメントを使える3Dが登場するだろう。しかしそうした新型が799ドルで手に入るようになるまでにはしばらくかかるのではないか?


一言でまとめれば、AiOは手の届く価格で驚くべき機能を備えた製品だ。3Dマニアならなんとしても試してみたくなるはずだ。


〔原文にはスライドショーで写真多数あり〕


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+








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2014年11月22日土曜日

ロボットを3Dプリントで作るための多機能教習所Makerclub、子どもも学べる

3Dプリントで蜘蛛型ロボットを作りたいかな? それとも人型ロボットの伴侶(つれあい)は? 触ると感電するしっぽをつけたサソリのロボットはどうかな?


Makerclubが、たぶんあなたを助けてくれるだろう。そこは、メーカー日本語Wikipedia)たちが集まってロボットの3Dプリントを議論する場だが、eコマースの場でもあり、リポジトリ(情報保管庫)でもあり、教材でもある。 ロボットクリエイターを助けるためのハードウェア支援を、Indiegogoでやってるのもおもしろい。


“3Dプリントしたロボットのパーツのライブラリなんて、まだうちにしかないと思うし、技術普及のための教育プラットホームがあるのもうちだけだ”、とファウンダのSimon Rileyは言っている。


このサイト上でのロボットの制作をやりやすくするために、MakerConnectと名づけたボード(基板)も作っている。MakerConnectはその名のとおり、ArduinoのボードをオンボードのBluetoothに接続して、サイト上での制作過程をワイヤレスでコントロールできる。必ずしもそれを使う必要はないが、50ドルのこのボードを使うと、このサイト上でのロボットの制作が相当容易になる。


“ロボットを3Dプリントすることによって、発明やプロダクトデザインを教えられる。どのプロジェクトでもArduinoのチップを使い、スマートフォンで制御する”、とRiellyは言う。ユーザは設計図とプログラムをダウンロードして、ロボットに必要なすべてのパーツをプリントできる。レッスンプランもあるから、子どもがロボットの作り方を簡単に学べる。


“ニューサウスウェールズ大学の三学年のときに、ノッチンガム大学で電子工学とコンピューティングを勉強した”、とRiellyは言う。“その後、大小さまざまな企業で働いた。eBayやBrandwatchにもいた。そして、かなりベテランのプログラマになった。でも、大学での勉強が中途半端だったことを、いつも、くよくよ悩んでいた。コンピューティングなどの本当の理解とそれへの情熱が、自分にはなかった。仕事をやめて、5年ぐらいは勉強をやり直さなければだめだ、と思った”。


“そして2年前に車のリモートコントロールを考えたことから、今のロボットのプロジェクトが派生的に生まれた。ぼくはプログラムは書けるけど、立体物を造形する才能はほとんどない。だから最初のうちは、へたくそな物しか作れなかった。ロボットは、すぐに倒れたり、動かなくなったりした。運良く、ある年のクリスマスパーティーで昔のボスに会い、相談できた。その2週間後に彼は、ぼくのためのクリスマスプレゼント兼誕生祝いとして、3Dプリンタを送って(贈って)きた”。


Reillyはこのプロジェクトのことを、“ぼくが15歳のガキのときに、欲しかったもののすべて”、と表現する。そこにStephen Kingの本が数冊と、 Victoria’s Secretのカタログがあれば、さらに完璧に15歳だな。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))








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2014年11月20日木曜日

TC Tokyo 2014バトル優勝は、家庭用プリンタで電子回路を「印字」するAgIC!

毎年秋に行われるTechCrunch Tokyoも今年で4回目の開催となる。米国に比べると起業を巡る環境がまだまだ厳しいと言われるが、2日目に開催されたスタートアップバトルでは、ネット環境の変化も見据えた日本ならではのユニークなプロダクトを、12社がプレゼンし競い合った。その模様を結果とともにお伝えしたい。


AgIC(AgIC株式会社):最優秀賞、インテル賞、PR TIMES賞


優勝賞金100万円と、2つのスポンサー賞を獲得したのは、AgIC(エージック)。家庭用インクジェットプリンタで導電性をもった専用インクを「印字」して紙の上にも電子回路を打ち出せるプロトタイピング向けプロダクト。専用カートリッジを装着する。AgICを使うことで電子回路の試作に要していた時間を1週間から、2〜3分へと短縮し、コストも大幅に抑えることを可能とした。インクの技術はパテントを獲得しているが、自社サイトでの回路図の共有などサービスを拡充することで、ユーザーの囲い込みを図っていきたいと意気込む。3Dプリンターだけではカバーできない部分を見事に解決したとして高い評価を得た。


オープンロジ(株式会社オープンロジ):審査員特別賞、CONOHA by GMO賞

「2分でできる物流プラットフォーム」を打ち立て、Amazonのフルフィルメントと真っ向勝負を挑むのが、openLogiだ。10ステップ以上の煩雑な手続きが必要なフルフィルメントに対し、3画面3ステップでの手続きが完了する。それを可能にしているのは物流企業との工程の綿密な見直し作業だ。EC市場の更なる拡がりに呼応したサービスとして、審査員特別賞、CONOHA by GMO賞を獲得した。



mikan(株式会社mikan):Amazon Web Services賞

TechCrunch Japanで紹介して大きな話題となった英単語暗記アプリ「mikan」は、シンプルかつスピーディな操作を可能とするUIで「1日で1000単語」が覚えられると標榜する。リリース後5日間で10万DLを突破し、既に1000語の暗記に到達したユーザーは1000人を超えるという。日本を再び世界で戦える国にすべく、まずは英単語という分野から成長を続けたいとプレゼンでは抱負を語っていた。


FiNC ダイエット家庭教師(株式会社FiNC):ぐるなび賞

スマホアプリを用い、非対面型のダイエット家庭教師サービスを提供するのがFiNC。ジムに通う限られた時間だけなく、食事や体重管理など生活全般をサポートできるのが強みだという。目標を達成し「卒業」するユーザーも、約40%引き続きサプリメントなどの定期購買を続ける。遺伝子検査からスタートする科学的なメソッドと、コストパフォーマンスの高さも魅力だ。


Akerun(株式会社フォトシンス):グローバル・ブレイン賞

スマホからのBluetooth通信によって、鍵の開閉を制御するakerun。賃貸大手のHOMESとも提携し、採用に向けた準備を続けている。物理的な鍵を介さないことによって、自分が不在であっても、リモートで認証した友人を先に招き入れたり、宅配便を部屋の中に入れておいてもらうといったことが可能になるという。貸しスペースの入場管理などその可能性は広がる。


マッチ(株式会社baton):ビットアイル賞

ゲーム感覚で競い合いながら世界史などを学べる学習アプリ「マッチ」。壇上を飛んだり跳ねたりとまさにゲームの楽しさが伝わってくるプレゼンテーションで会場を沸かせていた。教科や対象学年を増やし、企業とのコラボを進めることで、問題集関連市場3500億円への挑戦を続けると意気込みを語る。


WOVN.io(株式会社ミニマル・テクノロジーズ):PayPal賞、マイクロソフト賞

たった1行のスクリプトと3つのステップでサイトを多言語化するWOVN.ioは、PayPalとマイクロソフトの2つのスポンサー賞を獲得した。リリースからわずか4ヶ月で3000ドメイン、約5万ページが多言語化されたという。まもなくテキストだけでなく画像も置き換える機能も実装する予定だ。


今回のスタートアップバトルへのエントリーは113社。決勝に進めたのはそのうちのわずか12社となる。以下のプレゼンテーターは惜しくも受賞を逃したが、狭き門をくぐり抜け、このステージに立った。今後期待の持てる顔ぶれだと言えるだろう。


XZ(株式会社STANDING OVATION)

タンスの肥やしとなってしまうことのある洋服たちを、「ソーシャルクローゼット」に登録してもらうことによって、他のユーザーからの推奨による着回しのバリエーションを発見することができるアプリ。ファッション版クックパッドを目指す。


Bizer(株式会社ビズクラウド)

スモールビジネスのバックオフィスを支援するWebサービス。中小企業では専門の担当者がおけなかったり、非常に手間をとられてしまう労務、総務などのタスクを予めリスト化し、テンプレートを用意する予定だ。専門家のアドバイスを受けることもできる。


スペースマーケット(株式会社スペースマーケット)

貸しスペース版Airbinb。お寺や野球場、結婚式場などあらゆるスペースをオンラインマッチングで貸出し、遊休スペースの有効活用を図る。すでに1200箇所が登録され、40%という強気の手数料率でビジネスの成立を図る。


bento.jp(株式会社ベント・ドット・ジェーピー)

こちらも既にメディアでの紹介が相次ぐサービス。配送料込みの500円弁当をスマホでのわずか2タップ操作で、20分以内で届ける。渋谷のオフィス街を中心に予め需要を予測し、配達員を待機させているのが鍵だ。このノウハウを活かし、コーヒーなど商品展開の拡充を予定。


yTuber.tv(株式会社yTuber.tv)

YouTube動画をキュレーションし、TVのようにジャンル毎に11チャンネルに人力で分類。YouTuberのマネジメント業務を行いながら、スマートフォンでのセカンドスクリーン獲得を目指す。


2時間半以上にピッチと質疑応答が続いたが、渋谷ヒカリエの広いホール会場も立ち見がでるほどの満員。熱気の中4回目となったTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルは幕を閉じた。この中から、次代を担い世界で活躍するサービスが生まれることに期待したい。








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2014年11月14日金曜日

Sintratechは、世界初の卓上型焼結3Dプリンターを開発中



スイスのSintratecという会社が、世界初の卓上型焼結3Dプリンターの販売を計画している。焼結というのは、ナイロン粉末の層にレーザーを照射して3D物体を作る方式のことで、中身の完全に詰まった物体を高精度で作る最適な方法の一つだ。


同社は、近くIndiegogoで製品を公開する予定で、プリンターの価格は4000ドル。驚くほど良くできた機械で、いかにもすばらしい作品をプリントしてくれそうだ。




最大プリントサイズは130 x 130 x 130 mmで、内部に可動部分を持つ部品を作ることができる(例えば、歯車を内蔵した時計)。プロセスは通常のプリンターよりはやや遅く、ビデオにあるように、最終製品は少々粗いが、Form Labs Form 1+のような後処理が不要で、プリント直後に使用できる点はデザイナーに喜ばれるだろう。


via Wamungo



[原文へ]


(翻訳:Nob Takahashi / facebook








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2014年11月12日水曜日

Fluxのモジュラー式3Dプリンターは3Dスキャンやレーザー彫刻もできる―Kickstarterで499ドルから


3Dプリンターは現在ある種の岐路に立っているように見える。当初のアーリー・アダプターの熱狂の後、メインストリームへの拡大が期待されたほどに進んでいない。3Dプリンターに新たに参入してきたFluxは、少なくともホビイストを興奮させそうだ。巧妙なモジュラー式デザインのおかげでこのデバイスは3プリント以外に万能工作機械として機能する。今日(米国時間11/11)、Fluxの Kickstarterプロジェクトがスタートし、1台499ドルの出資で早期割引の予約を受け付けている。市販価格は599ドルになる。


Fluxには3Dプリンター以外に、3Dスキャナー、レーザー・エングレーバー、焼き物用の粘土の成形機などのモジュールが用意されている。これらのモジュールは当初の出荷時にバンドルされるものもあるが、後日オプションとして提供されるものもある。Fluxではモジュール開発用SDKを公開しており、サードパーティーがユニークなハードウェア・モジュールを開発、提供することを期待している。


開発者によれば、多様なモジュールに加えて、Fluxにはライバルにはない優位点も備えているという。開発者は「モジュール化デザインのため組み立て、調整がきわめて簡単で、信頼性も高い。Bluetoothによってスマートフォンやタブレットから操作できる。附属のモデリング、設定ソフトウェアが使いやすい。コンパクトでデスクの上で場所を取らない」などの長所を強調している。


私もたしかにFluxのデザインは優れていると思う。現在市場に出ているどの3Dプリンターよりも魅力的だ。ただし値段はかなり高い。もし私がFluxを購入したとすれば、おそらく大半の時間は3Dプリンターというよりレーザー・エングレーバーとして使うことになりそうだ。粘土の整形など他の機能もおもしろそうだ。将来オプションのモジュールの数が増えれば、Fluxはデスクトップの万能工作マシンに成長するかもしれない。マイクロ・プロトタイプづくりには理想的だろう。


Fluxは台湾に本拠を置く若い起業家チームによるスタートアップだが、オープンソース・テクノロジーをベースに30種類以上のデバイスの実際に作動するプロトタイプを開発している。 今回の3Dプリンターの大量生産開始のための資金の目標額は10万ドルだ。無事に資金が確保された場合、第一陣の出荷は2015年7月になるという。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+








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2014年11月6日木曜日

このポータブルRaspberry Piゲーム機は、失われた青春のアーケードゲームを取り戻してくれる



eNcadeは、人々の忘れていたノスタルジアに乗じることを期待している。実質的にRasberry Piを可愛いらしいケースに入れただけだが、このポータブルコンソールは、伝説的ゲームにオンライン・マルチプレーヤー機能を追加して、世界中のプレーヤーとジャウストを戦ったり、町内の友達とマリオブラザーズをプレーしたりできるようにすると約束している。


コンソールは3Dプリントされたもので、完成版のPiとゲーム入力が付いている。もちろんこの手の物は誰にで作れるが(私は子供たちと一緒にたった今これを作っている)、秘密はソフトウェアにある。「eNcadeの始まりは私のコンセプトで、当初はポータブルオンラインマルチプレーヤー対応レトロゲーム機だった」と作者のNicolas Wickerは語る。「しかし、みんなの声を聞いた結果、われわれの世代で人気を得るためにも、アプリを作る上でもRaspberry Piが非常に適していると気付いた。以来、3回の設計変更を経て、現在はソフトウェアのベータ版を仕上げているところだ」


「最初にeNcadeを考えついたのは、レトロゲームをオンラインでマルチプレーできるポータブル機がないことに気付いた時で、1年以上前のことだった。さらに、購入可能な完成版Raspberry Piゲーム機がないことにも気付いた。eNcadeは、この2つのコンセプトを融合させる完璧な解だった」


完成版は160ドルで入手可能で、Wickerは初期モデルを3Dプリンターで作り、プロジェクトが離陸したら射出成型品を出荷するつもりだ。彼のゴールは、古いROM向けのXbox Liveのようなものを作って、自分のゲームに他のレトロゲームユーザーが遠くから参加できるようにすることだ。


目標金額6500ドルで、まだ道は遠そうだが、立ち上がれば面白いプロジェクトになるかもしれない。



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(翻訳:Nob Takahashi / facebook








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2014年11月5日水曜日

消費者製品としてデビューした3DスキャナのFuel3D、$6.4Mを獲得して企業利用も視野に

3Dスキャナって、何に使うのか? それは3Dプリンタにデータを提供するだけじゃない、と考えるオックスフォード大学のスピンアウトFuel3Dは、消費者向けの高精度で手持ち型(ハンドヘルド)の3Dスキャナで、昨年、Kickstarterに登場した。


そのFuel3Dが今日(米国時間11/4)は、Chimera Partners率いる拡張ラウンドにより、640万ドルを調達した。それを同社が“プレIPOラウンド”と自称しているのは、2015年の初頭に実際にIPOを予定しているからだ。資金は、3Dスキャナのアプリケーション開発の拡大に充てられる。


Fuel3Dは昨年Kickstarterで30万ドルを獲得し、その次に260万ドルの資金をVCたちから調達した。そのほかに医療用画像処理の分野で110万ドルの開発契約を某社と交わしている。


今回得られたキャッシュで同社は、新しい垂直市場…眼鏡のカスタム化とバイオメトリクス…をねらう。


それは同社によると、“眼鏡屋さんが眼鏡の‘試着’を仮想化できて、お客に合わせた眼鏡のカスタム化を容易にできるようにするもの”、だ。


バイオメトリクスに関しては具体的な話は得られなかったが、同社は今、“人間の顔専用の270度のスキャナ”を開発中だから、おそらく相手は顔認識の分野だと思われる。


それは複数のカメラを使って人間の顔の耳から耳までのデータを捕捉し、当面は小売企業における仮想試着(眼鏡など)に利用するためのプロダクトだが、バイオメトリクスにも十分応用できるはずだ。


Fuel3DのハンドヘルドスキャナはKickstarterの出資者たちにベータテストのために送られたが、来年は本格的な商用生産に入る計画だ。


CEOのStuart Meadは、声明文の中でこう言っている: “今回の資金によってFuel3Dは来年、スキャナの本格的な商用生産を開始でき、また新たな人材とインフラストラクチャにも投資ができる。合衆国への進出も、可能になるだろう”。


“消費者製品と並行して、いくつかの国際的企業から寄せられている関心にも対応し、3Dスキャナ技術の3Dプリンティングを超えたアプリケーションの開発にも、資金を投じていく”、ということだ。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))








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SDカードサイズの開発ボード「Edison」をTCハッカソンで20個ご用意!

TechCrunch Tokyo 2014の前夜祭的な位置付けで、11月15日、16日の週末に予定している「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」の開催まで2週間ちょっととなった。200人が入れる会場を24時間借りた大きめのハッカソンで、すでに160名を超える方に参加登録を頂いている。特別参加エンジニアとして増井雄一郎氏、堤修一氏の参加が決まっているほか、ギークな女優、池澤あやかさんがガチでハックしに個人参加してくれることになっている。


今回のハッカソンは規模が大きいということもあって、特にテーマを設けていない。すでにAPIやサービス、モジュールを提供してくれる企業は多く集まっているのだけど、ここで1つ、ハードウェアをやりたいWeb開発者に朗報があるのでお知らせしたい。


大々的なモバイルシフトと、それに伴うARM攻勢で最近スタートアップ界隈では存在感が薄い気もするインテルだが、ここに来て、やたらとハッカビリティの高そうなSDカードサイズの開発ボード「Edison」(エジソン)を、お正月のCESで発表して注目を集めたのは皆さんご存じの通り。Edisonは端的にいえば、Intel Atom相当の500MHzのデュアルコアプロセッサに1GBのメモリと4GBのフラッシュメモリ、無線モジュール、各種標準I/Oが全部詰まった小型Linuxコンピューターで、5年ぐらい前のPCがSDカードサイズになった感じだ。


国内でも10月末に出荷が始まって、もう手にした人もいるかもしれないが、秋葉原のパーツショップの中には、初回入荷分を売り切ったという話も早速聞こえてきている。今回、TechCrunch Tokyoハッカソンのために、Edison(Arduinoボード)20個、Galileoボード20個、Grove Sensor Kitなどをインテルから提供いただけることが決定した。Edisonを使ってプロダクトを作ったチームには、ハッカソン終了後もそのまま作品としてハックに利用したデバイスを、お持ち帰りいただける。


ちょっとEdisonについて、何が話題となっているのかを簡単に紹介しておきたい。


モノ系のIoTブームを支えているのは、広くはメーカーズムーブメントだが、テック系で言えば、3Dプリンタの登場や、ArduinoやRaspberry Piといった開発ボードの普及だろう。プロトタイピングが身近になり、それまでハードウェアに手を出さなかったエンジニアにまでハンダごてを持たせ、サードパーティ製拡張ボードを含めたエコシステムを育てたのはArduinoの功績だろう。


先行するArduinoやRaspberry Piに対して、Edisonは何が違うのか?


まずサイズが小さいことが挙げられる。開発ボードでありながら、そのままスマート・トイなどに組み込めるというのが大きく異なる。搭載するWiFi(11a/b/g/n)やBluetooth(4.0/2.1)の無線チップは国内の認証を経ているので、Kickstarterでプロトタイプのイテレーションを回すような場合でも、Edision搭載のまま出荷も可能という。インテルのプロセッサといえばバッテリ食いのイメージもあったりしたが、Edisonはボード全体で1W程度の消費電力なのでリチウムバッテリでもそこそこ動くのだそうだ。12月に追加リリース予定のMCU(Micro Controller Unit)開発環境を使えば、I/O部分をMCUでコントロールして、プロセッサ部分は普段は寝かせてしまう省電力な設計も可能になるという。


Edisonはモジュール単体でも発売するが、開発ボードとして使う場合には、ブレークアウト基板キットか、Arduino変換基板キットを利用する。すでにEdision向け拡張ボードもあるが、Arduinoキットを使えば、Arduino向け拡張ボードである「シールド」がそのまま使えるので、Arduino向けサードパーティモジュールと、Linuxを使った開発ができるモダンさを備えているということになる。OSとしてYocto Linuxを搭載しているが、Debian GNU/Linuxの稼働や、その上でのGo言語の稼働も確認されているなど、x86の開発エコシステムが使えるのが非組み込みエンジニアにとっては魅力だろう。Node.jsやPython、HTML5による開発もできて、たとえば、スマート・トイでiPad向けUIを作る場合、HTMLとJavaScriptを使ったりもできるという。このほか開発言語として「Wyliodrin」というScratch風のビジュアル開発言語も利用できるそうで、学校教育を意識している面もあるそうだ。



というわけで、「初物」に近いEdisonを使ってハックしたいエンジニアを、TechCrunch Tokyo Hackathonでは募集中だ。まだチケットには余裕があるので、是非参加を検討してほしい。


TechCrunch Hackathon Tokyo 2014のチケット販売ページはこちら


以下はTechCrunch Tokyo 2014本編のチケット。


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2014年11月4日火曜日

プラスチックレジンを使う超小型3DプリンタiBox Nanは299ドル

【抄訳】


FormlabsのForm 1+はステレオリソグラフィー方式の3Dプリンタでお値段は3299ドル、大量のデスクスペースを占領するし、あなたの貯金から大金を持っていく。もっと気軽に3Dプリントを楽しめる方法はないか? その願いをかなえてくれるのが、上のビデオに登場する小さなマシンだ。


上のビデオでは、iBox Nanoちゃんがチェスのピースを3Dプリントする様子が、コマぬきで撮影されている。UV LEDを使ってレジンを硬化する方式はFormlabsと同じだが、手のひらに乗るぐらい小さなNanoは、わずかに299ドルだ。


レジンを使用する3Dプリンタは、これまでの、プラスチックフィラメントを使うFDMプリンタと違って細かい細部を作れるから、Nanoは小さな物を作るのに適している。


Nanoを動かし制御しているのは、ローコストのマイコン、Raspberry Piだ。プリンタの筐体はレーザーでカットして作ったアクリルの箱なので、射出成形に比べるとコストが安い。安いことは良いことだ。


【中略】


ファウンダのTrent Carterは、3Dプリンタを1年以上使っている100世帯に対して市場調査/消費者調査を行った。そして、ほとんどの人が小さな物しかプリントしないことを見つけた。


彼は曰く、“その理由は、大きな物は10-12時間もかかることがあるし素材の費用もばかにならない。4x4x4″ぐらいの大きさの物だと14−18時間かかり、材料費は30-60ドルはする。もちろん時間や費用は、プリンタのスピードや素材の種類で違うけど”。


“Nanoがプリントしたチェスの駒のルーク(下図)は30mm x 20mmで、所要時間は約2時間、レジンの費用は約50セントだ!”


もちろん小さな物をプリントするのに向いているが、小さな部品を組み立てて大きな物を作ってもよい。プリント精度はZ軸で0.39ミクロン(この値が小さいほどザラザラが少ない)が最小だ。ただし、速いプリントをご希望なら、100ミクロンぐらいが適している。最大プリントサイズは40 x 20 x 90mmだ。Nanoは今、Kickstarterで商用生産のための資金を募っている。


【後略】


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))








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