2015年5月28日木曜日

NYでものづくり系アクセラレーター「FabFoundly」を立ち上げ—Six Apart元代表・関氏、次のチャレンジ

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FabFoundlyの創業メンバー。中央が創業者の関信浩氏

ブログCMSの草分け的存在である「Movable Type」。その開発元であるSix Apart, Ltd.(現SAY Media)の日本法人であるシックス・アパート株式会社を設立し、同社や2013年6月に新設したSix Apart,Incの代表を務めてきた関信浩氏。そんな関氏が新会社FabFoundlyを立ち上げ、米国ニューヨークでIoTやハードウェアなど、「ものづくり」の領域を対象にしたアクセラレーションプログラム「FabFoundly」を開始する。

少しややこしいので、先に現在のSix Apartについて説明しておく。もともとMovable Typeを開発していたのは2001年設立の米Six Apart, Ltd.。同社は2010年、広告ネットワークなどを展開する米VideoEgg社と合併してSAY Media, Inc.となっている。

Six Apart, Ltd.の日本法人であったシックス・アパート株式会社(2003年12月設立)はこの買収後も社名を変更することなく、引き続きMovable Typeの開発を進めてきた。そして2011年1月に米国法人からMovable Typeのブランドなどすべての権利を譲り受け、同年2月には買収でインフォコム傘下となった。

その後は海外展開に向けて2013年6月に米国法人Six Apart, Inc.をニューヨークに設立し、関氏がPresident/CEOに就任。2014年3月には本社機能も米国に移し、日本法人をその100%子会社とした。関氏も、このタイミングでニューヨークに拠点を移している。

そんな関氏だが、5月に開かれた取締役会でSix Apart,Inc.のCEOを退任し顧問に。それと合わせてFab Foundlyを立ち上げるに至った。

ニューヨークで新しいことをしていきたい

「Six Apartに関わって11年半、ニューヨークに来てちょうど1年。そろそろ新しいことをしていきたいと思った」——FabFoundlyを立ち上げたきっかけについて関氏はこう語る。

もともとニューヨークでは、Movable Type事業に加えて新規事業を展開する予定だったという関氏。ただ今回のFabFoundlyは、関氏や後述の共同創業者のほか、エンジェルなどが出資。インフォコムグループとは独立した法人となる。

「今後はSix Apartの顧問を務めると同時に、インフォコム(米国法人のInfocom America)で、グループのシナジーに向けた投資・買収なども手がけていく。ただ新規事業についてはSix Apartの外でやった方がいいだろうと話していた」「アクセラレーターと言えば投資のイメージがあるが、その事業モデル自体が新しい。FabFoundlyはアクセラレーターというビジネスを立ち上げるスタートアップと思っている」(関氏)

FabFoundlyのメンバーは関氏のほかに3人。共同創業者のKristen Smith氏(冒頭の写真右)は、教育プログラムなどを展開するKohl’s Design It! Labの元事業開発担当。ものづくりの機材にも詳しいBrian Lee氏(同写真左)は元デザイン工房経営者現在ホワイトハウスのプログラムに参加中で写真には入っていない事業開発担当バイス・プレジデントのCarlton Reeves氏は、ウィスコンシン大学で起業プログラムを指導してきた人物だ。

FabCafe New Yorkを立ち上げ、プログラムの拠点に

では具体的にFabFoundlyはどういったスキームでアクセラレーターとして活動していくのか。資金に関しては日米で「まさに調達の真っ最中」とのことだが、シード期のものづくりスタートアップに3カ月のプログラムを提供。あわせて5万ドル程度の出資をしていくのだそうだ。

その活動の中心となるのが、今秋オープン予定のFabCafe New Yorkだ。FabCafeはもともと、ロフトワークが2012年3月に東京・渋谷にスタートしたものづくりカフェ。カフェの中にレーザーカッターや3Dプリンタを導入しており、コーヒーを飲みつつ、さまざまなものづくりができるスペースになっている。

東京・渋谷にあるFabCafe。中央の黄色い箱のような機材がレーザーカッター

東京・渋谷にあるFabCafe。中央右よりの黄色い箱のような機材がレーザーカッターだ

現在は東京のほか、台北やバルセロナ、バンコクなどに展開。これらは現地のパートナーが運営を担当しているそうで、FabFoundlyも同様のスキームでニューヨークにFabCafeをオープンする予定なのだという。

サンフランシスコに目を向ければ、レーザーカッターや3Dプリンタを利用できるものづくりの拠点「TechShop」なんかもあるようだけれども、ニューヨークでは学校などを除いてまだまだそんなスペースは少ないそう。カフェの物件については「現在検討中」ということだったが、渋谷のFabCafe以上に大きなスペースで、より多くの機材を導入する予定だ。

「カフェの中でプログラムを提供すれば、スタートアップが『3Dプリンティングをしたい』と思った際にもわざわざマシンを買う必要がないし、プリンターなど機材のエンジニアが常駐するので彼らのリソースを使うこともできる。とにかくインキュベーション、アクセラレーションの最初の部分は起業家に何かを与えることからだと思っている」(関氏)

今後の目標は、スタートアップ100社への投資。それも1〜2割は米国外のスタートアップにしたいのだそうだ。「シリコンバレーには行きやすくなったが、ニューヨークはこれから。他の地域のスタートアップがここからグローバルを目指すのであれば、その“進学先”になってもいいと思っている」(関氏)

FabCafe New Yorkでは、プログラム以外にも機材の有料利用やワークショップ、スポンサードイベントの開催なども進める。「当初はアクセラレータープログラムだけでのリターンはあまり考えていない。カフェ自体がそこまで儲かるものではないが、スタッフが食べていける程度にはなると思う」(関氏)

関氏はカフェというスペース自体が、ものづくりスタートアップを生み出す仕組みの中心になることを期待する。「起業するかしないのかという初期段階のアイデア出しから、ネットワーキングして、さらにはプログラムに参加して、成長して巣立つ—そのエコシステムを作っていきたい。そこで敷居を下げるという意味で大事なのが『カフェ』。そこにふらっと来て、『やってみよう』となる。これはFabCafeが東京でもやってきたこと」(関氏)

ニューヨーク発スタートアップ、2つの強み

TechCrunchでもおなじみの企業が立ち並ぶサンフランシスコやシリコンバレーなど、僕らはどうしても「米国≒西海岸」と考えがちだ。じゃあニューヨークでスタートアップすることにどういう意味あるのだろうか。関氏は2つの強みを挙げる。

1つはニューヨークの市場の大きさ。ニューヨーク市内で849万人(2014年)、周辺都市圏を含めると2000万人規模。ここまで人口が集約しているエリアは米国にもほかに存在しない(ベイエリア全体で710万人程度だ)。目の前に広がるこの巨大マーケットは何よりの魅力になる。

もう1つは、金融、ファッション、デザインなどの業界の中心地だということ。IoTやハードウェアというのは、ウェブサービスなんかと比較して生活に密接している領域だ。例えばウェアラブルデバイスなんてものは、今後ファッション業界ともっと近づいてかないといけない。そう考えると、トレンドを世界に発信しているニューヨークという場所は非常に有利だというのだ。

関氏はニューヨークについて、「テック企業からは距離が遠い。生活に溶け込む製品(のメーカー)は大企業しかいない」とも語る。「重要な拠点だけどもハイテクスタートアップはいない。いないからこそ、そこに行って挑戦する。ドットコムバブルがはじけた直後のシリコンバレーと同じ感覚がある」(関氏)。



from TechCrunch Japan

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2015年5月23日土曜日

Disneyの研究所が完璧な濡れ衣証言の偽造技術を発明…ほんとに言ったことはどこかに消える

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Disneyの研究所からまた常軌を逸した成果が登場した。これまでは、ビーチの砂の上に絵を描くロボットがあったし、プラスチックでなくフェルトから、抱きしめたくなるようなオブジェクトを作る3Dプリンタがあり、不可能と思える形のものでもコマのように回転させられる特技があった。

そして彼らの最新の秘技は何か? アルゴリズムを使って、人が実際には言っていないことを言わせる技術だ。

読唇術というものが昔からあるし、ビデオの吹き替えで声と合ってない唇の形は、誰もがいつも見ている。読唇術が難しいのは、二つの違う言葉が、口の形はほとんど同じ、ということが多いからだ。だから脳が行う言葉の理解は、視覚と聴覚の合成なのだ。音がなくなると、”bah”も”vah”も”gah”も、口の形だけからは正確に区別できない。

そこで、下のビデオのような、McGurkの錯覚というものが生まれる:

このことから、Disneyの研究員は、人が実際に言っていることとは違う言葉に聞こえることもある、語句のリストを作った。

たとえば、誰かが”clean swatches”(きれいな布地見本)と言ってるのを録画すると、その映像に、その映像を見ながら聞く人が違和感を感じないようにダビングできる、オリジナルとは違う語句が9000種類もある。その9000の中には、意味のない語句もある。というか、そのほとんどは、意味不明だ。その、実際には”clean swatches”と言っているビデオに、”need no pots”(マリファナは要らない)をダビングしても合うし、かなり気持ち悪い”like to watch you”(あなたを見張っていたい)も合う。完全に合ってると見えれば、そのときには、まさにその人がそう言っている、と聞こえてしまう。完璧な濡れ衣だ。

下のデモビデオでは、効率化のために声はロボットの声を使っているが、実際に人間の声だったら、もっと“ずっと自然な”完成度の高い錯覚になるだろう。

これは、人間の脳の気まぐれぶりを表しているだけでなく、実用化の可能性もある。たとえば、映画の中の差別語の発言などを、これまでのかなり無理なやり方より、もっと自然に別の言葉に言い換えさせることができるだろう。でも、この研究成果そのものが、すごくクールだけどね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa



from TechCrunch Japan

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2015年5月19日火曜日

開発途中のElectroloomは、縫い合わせる必要のない衣類を制作する3Dプリンター

3Dプリンターは、多岐に渡る分野で活躍している。プラスチックや金属製品のプロトタイプを高速で制作したり、 電子回路や更には、食べ物の調理にも変革をもたらした。更には、低価格で医療品の検査が行えるよう、生きている細胞構造を構築することさえできる。今回、新たな分野に3Dプリンターは光を当てた。着用できる衣類の3Dプリンターだ。技巧をこらしたプラスチック片を組み合わせたアート作品のことではない。

Electroloomは、まだ開発が始まったばかりの機械だ。これは、電界紡糸の技術を応用し、液体(現在はポリエステルとコットンをブレンドした独自のものを使用)を一枚の継ぎのない衣類に仕上げる3Dプリンターのプロトタイプだ。溶液を型に噴きつけることで、縫い合わせる必要のない、そのまま着用できる衣類を作ることができる。

サンフランシスコに拠点を置く制作チームは、プリンターの機械の中で内部電界を発生させ、繊維を誘導し、衣類を自由に形成することを可能にする、この衣類の制作プロセスを「フィールドガイド・ファブリケーション」と呼んでいる。

3Dプリンターで出力される生地は、無数の細かいナノファイバーで作られているため、従来の編んで作られた布と同じような伸縮性と柔軟性を兼ね備えているという。服飾業界は衣類を制作するのに、生地を裁断し、縫い合わせる作業を行ってきたが、彼らのアイディアは、そのような作業を必要としない、一人一人に合う衣類を提供することだ。

Eletroloomは一年半かけて開発を行ってきたが、まだ道半ばである。今回、彼らはクラウドファンディングのキャンペーンを立ち上げ、機械のアルファ版(と開発用キット)を少量出荷し、このプロジェクトに対するフィードバックを集める予定でいる。

「この機械を使って、色々試し、既存の概念を壊したり、ハックしたり、プリンターをもっと改良したいと思う人に届けたいと思います。最終的には、とても頑強で信頼できるテクノロジーを提供したいと考えています」と彼らのKickstarterのキャンペーンページに記されている。

この記事を執筆している間にも、既に目標額5万ドルの半分程が集まり、キャンペーンの締め切り期限もまだ28日残っている。目標額を達成した場合は、支援者に機械のアルファ版を2016年3月頃から届ける予定だ。

下の写真のタンクトップとスカートは、この機械で作られたものだが、ファッションとしては褒められたものではないかもしれない。制作された布も見た目は薄いようで、着用しても暖かくはないだろう。実用的な衣類ができるようになるまでは、テクノロジーとテクニックを更に改良していく必要があるだろう。しかし、噴きつける繊維で衣類を作るという技術は魅力的で、そのポテンシャルが持てるものだ。

Electroloom

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter



from TechCrunch Japan

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